「飲み仲間に、糖尿病の人がいます。衛生士は何を指導したら、良いのでしょうか?」
スタッフのそんな質問から、このブログは決まりました。
今では「歯周病と糖尿病の関係」は研究され、いろいろな事実がわかってきました。
歯周病は、ハグキ(歯肉)・歯槽骨(しそうこつ)などの病気で、細菌によって引きおこされる感染症です。
口の中に細菌が定着すると、炎症が起こり、ハグキが赤くなったり、腫れたりします。
この炎症が続いていると、歯の周りの組織(歯周組織)が破壊され、最後には歯が抜けてしまいます。
これまで歯周病は、口の中だけの病気と考えられてきましたが、全身にもたらす影響がわかってきました。
ここでは、5つの関係あると言われている症状、1,糖尿病 2,虚血性心疾患 3,誤嚥性肺炎 4,早産・低体重児出産 5,骨粗鬆症の、
1つである糖尿病をメインにその研究報告内容の一部を紹介します。
糖尿病は、血糖を下げるホルモン(インスリン)が足りなくなったり、うまく作用しなくなることで、高血糖が続く疾患です。
歯周病と糖尿病は双方向に関係があり、糖尿病が歯周病を進行し、重症化した歯周病は糖尿病の病状にマイナスの影響をあたえる事がわかりました。
歯周炎で働いた単球・マクロファージ(免疫細胞)が脂肪組織に浸潤することで、炎症が進みインスリン抵抗性が増悪(効きにくくなる)、動脈硬化(血管が硬くなる)リスクがおきます
そこで、歯周治療によってハグキの炎症が改善するとことで、インスリンが働きやすい状態にし、血糖値改善をおこないます。
もちろん、正しい食習慣・歯磨き習慣も必要です。良好な血糖値の維持は糖尿病の合併症を予防するうえで、高血圧の改善、禁煙、減量とともに有効です。
今回のポイントは「歯ブラシ習慣で、ハグキの炎症を減らし、インスリンの効きを良くしよう!」です。
歯周病と全身疾患の関連性を解説するCGアニメーション動画(サンスター財団)
http://www.sunstar-foundation.org/education/about/
【参考文献】
Sara G. Grossi and Robert J. Genco:Periodontal Disease and Diabetes Mellitus: A Two-Way Relationship. Ann Periodontol,3:51-61,1998.
歯周病と全身の健康:日本歯周病学会
糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン:日本歯周病学会
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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